足と腎臓の関係
下肢救済・足病学会に参加して思ったこと。
ここで発表された内容で、よく耳にした単語は、糖尿病であるか、透析患者であるか、という２語です。下肢を救うのに、注意しなければならないのが、「血流」です。この血流が少ないと“虚血”という状態になり、ひどくなるとちょっとした傷で治らなくなり、そのまま壊疽に繋がってしまうという恐ろしい状態になります。糖尿病は血糖値が高く、血液がドロドロの状態のため、血流量が少ない状態です。透析となると、血管の状態が良くない（石灰化）ために、こうなると血流量が限りなく少なく、または測定不能になります。血管の弾力性がないとポンプの作用がないので、隅々まで血液が流れないのです。ひどくなると、“重症下肢虚血”という状態になります。
腎臓の主な働きは以下の通りです。
血液を浄化し、老廃物や毒素を排泄する
体内の水分量や電解質の調整（イオンバランス）
ホルモンの分泌と調節
血液を浄化し、老廃物や毒素を排泄する
全身をめぐる血液から老廃物や毒素を取り除き、血液をきれいにします。血液を濾過し、尿として排泄させます（約1.5L/日）
腎臓が一日にろ過する血液量は150L（大型のドラム缶一本分）
→ 腎機能が低下すると身体中に老廃物や毒素が溜まってくる
→ 老化の原因
体内の水分量や電解質の調整（イオンバランス）
体内環境のバランスを保っている
ホルモンの分泌と調節
エリスロポエチン → 赤血球を作る
レニン → 血圧を調節する
プロスタグランジン → 血管の拡張、血圧の変動、炎症などに関与
ビタミンDを活性化させて、骨を作るカルシウムの吸収を助けている
このように、腎臓は生命維持にとても重要な役割を担う器官の一つです。血管の関係から足への影響は大きいのです。腎臓の問題は足の健康のみならず、全身問題へと発展します。
腎臓病の種類について
慢性腎炎（慢性糸球体腎炎） → 何らかの原因
糖尿病性腎症 → 糖尿病由来の腎臓病
腎硬化症 → 高血圧、動脈硬化症由来
多発性嚢胞腎 → 遺伝性
ネフローゼ症候群 → 何らかの原因
原因がある糖尿病性腎症、腎硬化症、多発性嚢胞腎は予防ができそうでは？
糖尿病性腎症は、透析患者さんの約４０％を占めています。糖尿病はタイプにより予防できますので、日頃からコントロールしていくと良いでしょう。
どうして腎不全になるのか？
糖尿病性腎症は血流と高血糖状態による弊害です。腎硬化症は高血圧、動脈硬化による血流障害による病気です。多発性嚢胞腎は遺伝性ではありますが、遺伝性はなりやすいけど、絶対にその病気になるわけではありません。
腎臓への血管はとても細いため、血管の状態が良くないと血流量が減り、腎臓への負担が大きくなり、最悪、腎不全へと進行します。腎不全の場合は、透析をしなければ生きていくことができません。
腎臓の健康は血管の状態がとても重要な要素です。血管の状態を健康に保つためには、3つの習慣がやはり重要。食習慣、運動習慣、生活習慣の3つの習慣がバランスよく、整っていることが必須です。
食習慣では、血管の弾力性を保つように血管に必要な栄養素を、筋肉の質を保つために筋肉に必要な栄養素を摂取することです。
運動習慣では、筋肉の収縮-弛緩を意識すること、可動範囲を増やすこと、適度に運動をして全身隅々まで血液を流すことです。
生活習慣では、生活リズムを整えて、ストレスを軽減させることが必要です。ストレスは血管系に大きく負担をかけてしまいます。
透析患者にならないために
腎不全（腎臓の機能がなくなる）になると、体内の浄化作用が無くなりますので、それを人工的に浄化させなければ生命危機に陥ります。人工的に浄化する作業を人工透析と言います。その人工透析に種類があります。
血液透析
腹膜透析
特徴は次の通りです。
血液透析（HD）
週３回 一回４時間
血液を体外に出して、体に溜まった余分な水分や老廃物を器械で取り除く
動き回れないけど、おしゃべりしたり、テレビを見たり、読書をしたり過ごす様子
腹膜透析（CAPD）
連続２４時間
交換時約３０分/回、４〜５回/日
6~8時間ごとにバッグを交換する時間が拘束される
月に１〜２回は通院
透析を始めると、生活に支障をきたすことが予想されます。足の機能を改善させて血流を促進し、腎機能の低下を防いでいきましょう。
P.S.
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