セルフケアを継続していただくには?
- 西尾赳範
- 2016年12月5日
- 読了時間: 3分
元の内容 → 閉塞性動脈硬化症・重症虚血肢患者のセルフケアの実態
下肢への血流が少ない方は、血管内治療をする患者さんが多い。症状が進行すると下肢切断、そして生命危機に陥りやすいため、患者さん自身が知識を習得しセルフケア能力を高めていくことが必要です。実際にどのようにセルフケアを継続して実施していただけるのか?それについて提案をしています。
対象
10名の男女(男:7名、女:3名)
平均年齢(男:73歳、女:76歳)
実施期間:H28年5月〜11月
入院中に実施したこと
パンフレット指導
行動させるためのアプローチ法
セルフケア能力を向上させる
質問内容
セルフケア指導を受けたかどうか → 9名は「受けた」と回答
読み返したかどうか → 7名「読み返した」と回答
などなど…
結果
退院後のパンフレット活用状況、意識、下肢観察状況
継続率の伸び悩み
どうすれば進んでセルフケアをするようになるのか?
自己効力感を高めること
※自己効力感について(補足)
自分が行為の主体であると確信していること
自分が行為について自分がきちんと統制しているという信念
自分が外部からの要請にきちんと対応しているという確信
→自己に対する信頼感や有能感
自己効力感の高い人
私イケてるよね!
私は勉強も仕事も結構できるよね!
私は何をやっても結局うまくできる!
自己効力感が低い人
私は劣っている
私は勉強も仕事もできない人間だ
私はどうせまた失敗する
自己効力感について
→それが事実かどうかは関係ない → 思い込み

どうすれば自己効力感を高めることができるか?
成功体験させる
代理的に経験させる
言語的説得
生理的、情動的な高揚
成功体験させる
自分自身で成功したり達成したという体験
一番定着率が高い方法
「できている」「やれている」ことに注目すること
代理的に経験させる
自分以外の他者が達成している様子を観察する
→「自分にもできそうだ」と感じること
言語的説得
言葉によって繰り返し説得されること
自分で自分に言い聞かせることも有効
「私ならできる!」と毎日10回唱える
生理的情緒的高揚
お酒や薬物などで気分を高揚させる
一時的な感覚はすぐ消える
幻想なので、先の3つを中心に行うのがいいでしょう
セルフケアを継続していただくには?
その日のうちに結果が出ることを達成体験させる
小さな成功体験を積み上げる
他人も混ぜて、代理経験をさせる
しつこいぐらい毎回言い続ける(言語的説得)
というふうに、混ぜていくのがいいでしょう。
P.S.
今回の病気の内容に関わらず、相手に行動していただくにはどうすればいいのか。そのような立場にいらっしゃる方で、行き詰まっている方には何かヒントになったのではないでしょうか?私自身、セルフコンディショニングを提唱している立場として、どうすれば継続的に行動していただけるのか、ということがとても重要になりますので、とても勉強になりました。
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